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X線防護衣
総合インフォメーション

X線防護のポイントやHOSHINAブランドを
もっとよく知っていただくために。
安全にお使いいただくためのコツや、
私たちの製品作りのこだわりなどをご紹介します。

X線防護衣は積層構造です。

2枚の“表面材”の間に“遮へい材”を収めています。
X線防護衣には積層方法という製法を採用しています。遮へい材を2枚の表面材で挟み込むもので、これがしなやかで動きやすい着心地を実現しています。いまから60年ほど前、保科製作所が初めて開発したX線防護衣は鉛を練り込んだゴム製で、その重さ、硬さはまるでヨロイのようでした。試行錯誤を経て、1980年代にたどりついたのがこの積層方法だったのです。

“無鉛”と“含鉛”の違いをご存じですか?

軽さの“無鉛”、お手ごろさの“含鉛”。
X線防護衣の遮へい材には“無鉛”と“含鉛”の2種類があります。古くから使われてきた含鉛素材は安価であることがメリットですが、鉛を主体としているためにずっしりと重いことが長年の悩みでした。その悩みを緩和したのが、1995年、保科製作所が日本で初めて導入したNASA発の無鉛素材です。

●無鉛素材は、着心地のよさも上。
無鉛の遮へい材は、含鉛のそれより30%ほど軽いのが魅力。また、素材が柔軟なので、動きやすさやフィット感にも優れています。そんなことから、現在、国内で作られるX線防護衣の70〜80%は無鉛素材。含鉛素材に比べて着用時のストレスが小さいので、X線防護服を着て長時間の作業をする方にはとくにおすすめです。

※含鉛素材のほうが適している場合もございます。
 詳しくは担当者にご相談ください。

X線防護衣の管理の基本は?

脱いだら必ず専用ハンガーへ。
どんなにお疲れのときにもお忘れなく。

脱いだあと、たたんで置いたり、脱いだままソファの上にクシャッと置いたりすると、折りジワ部分の遮へい材に穴や亀裂ができる場合があります。十分な安全性を確保するために、X線防護衣はつねにハンガーに掛けて保管してください。

●定期的なX線検査をおすすめします。
X線防護衣は2枚の表面材で放射線遮へい材を挟んだ3層構造なので、遮へい材の状態を目視することはできません。定期的にX線検査をして、安全性をご確認ください。

X線防護衣は一生もの? それは大きな誤解です!

X線防護衣は消耗品。
遮へい材が劣化すれば安全性も低下します。

X線防護衣の耐用年数はどのぐらいなのでしょうか? 使用頻度や管理状況にも関わるため、その年数は一着一着異なってきますが、どんなX線防護衣も経年とともに劣化していきます。とくに重要なのが遮へい材の状態です。X線透過検査をして、破れや折り目部分の亀裂などが認められたら、買い換えをご検討ください。チームや診療科で共有している場合は管理台帳を作って、X線防護衣の状態を共有していくとよいでしょう。

X線防護衣を共有するときは、情報も共有してください。

使用状況や劣化度合いの情報共有は“管理台帳”で。
X線防護衣は多くの場合、チームや診療科で共有されています。また、購入時期や使用状況が異なると、劣化の度合いもそれぞれに違います。そこでお役に立つのが、下記のような“管理台帳”です。一着一着について施設全体で情報共有することができるので、安全性の確認はもちろん、買い換え時期の判断などにも活用できます。

美しさだけじゃない。6つのカラーのメリットは?

X線防護衣の管理にも役立ちます。
「血管造影室はブルー、手術室はイエロー」、「Sサイズはピンク、Mサイズはライラック、Lサイズはグリーン」というように、表面材の6色のカラー・バリエーションはX線防護衣の識別に重宝です。部署、サイズのほか、購入年度、スタッフ用/ゲスト用など目的に合わせて色分けすると、X線防護衣の日々の管理がスムーズになったり、経年に伴う買い換えの計画が立てやすくなったりします。

職人(マイスター)の技と誇りがHOSHINAクオリティを支えます。

一着一着、職人の手で丹念に仕上げます。
保科製作所のX線防護衣は、すべてが受注生産です。流れ作業ではなく、一人の職人が責任をもって、生地の型抜き、縫製などあらゆるプロセスを手がけます。お客様からの多様なご注文に柔軟にお応えできるのも、職人としての豊富な経験があってこそ。最先端の技術や高性能素材を最大限に生かすために、きょうも一人ひとりがその技と心を磨きつづけています。

国内でただ一つ、『ISO13485』の認証を受けたメーカーです。

ISO認証マーク:MD87677 / ISO13485:2003

保科製作所のX線防護衣は、
世界水準の品質管理システムの下で製造されます。

X線防護用品のメーカーとして、日本で唯一、『ISO13485』を取得しています。これは、英国規格協会(BSI)が認証する医療機器の品質保証のための国際規格。数多くの要求事項をクリアし、安全性と安定した品質を証明したメーカーのみに発行される権威ある規格です。

業界で唯一、X線防護衣に『保証制度』を設けています。

お買い上げいただいたX線防護衣には、保証書をつけてお届けします。

ご購入後1年以内に問題が見られたら、
無償で修理・交換いたします。

医療従事者のみなさまの命を守る製品だから、安全性には最大限の配慮が必要です。保科製作所は、業界で唯一、X線防護服に『保証制度』を設けているメーカーです。正しくお使いいただいているにもかかわらず、ご購入から1年以内に縫製のほつれ、遮へい材の亀裂などの不具合が見られた場合は、状態に応じ、無償で修理または交換いたします。

HOSHINAのX線防護衣は着丈が長い。なぜだと思いますか?

骨髄はぜったい守りたい。
だから、“ひざ上”が基本です。

着丈が短ければ動きやすいし、X線防護衣自体の重量も軽くなります。けれども、保科製作所は“ちょっと長め”にこだわります。着丈が短いと、装置からの散乱線が骨髄に達することがあるからです。アンギオグラフィの場合は、床ではね返った三次線が侵入することもあるので要注意です。

腰の内側に豊富に存在する骨髄液。一定量以上のX線を浴びると、造血器官の障害や白血病などのリスクが高まります。

軽量防護のスゝメ。

使用環境にも配慮した
トータルな防護が注目されています。

X線防護を個人の装備だけでしようとすると、X線防護衣やX線防護メガネは、厚く、重くなっていきます。すると、動きにくさや体への負担が増し、必要以上に疲れたり、集中力が低下したりする心配があります。そこで、近年、注目されるのが、室内環境や使用線量にも配慮したトータルな防護です。血管造影や内視鏡治療が一般化し、X線透視の時間が飛躍的に長くなっている昨今だからこそ、この“軽量防護”は今後ますます重要なテーマになっていくはずです。

「うっかり」で現場に立てなくなったらたいへんです!

再度、ご確認ください。厚生労働省が定める“被ばく限度”。
X線を使った検査や手術のニーズが急増する昨今は、日々の業務に追われているうちに、厚生労働省が定める“被ばく限度”をうっかり超えてしまうというケースが少なくありません。すると、その医療スタッフは現場から外れざるをえなくなりますから、それは本人にとっても施設にとっても大きな損失です。被ばく限度を遵守するためには、毎日の適切なX線防護と被ばく量の定期的なチェックが必要です。

基本 5年間につき100ミリシーベルトを超えず、かつ、
1年間につき50ミリシーベルトを超えない
妊娠の可能性のある女性 3カ月間につき5ミリシーベルトを超えない

医療用のX線と原発の放射線はどう違うの?

レントゲン検査への不安を訴える患者さまにどう説明しますか。
2011年の福島第一原発の事故以来、医療機関でのX線検査等に不安をもつ患者さまが増えています。X線と原発の放射能を混同している人も少なくありませんが、正しくは、X線は放射線の一種であり、それら放射線を放射性物質が発生する能力のことを放射能といいます。また、放射能が私たち人間にとって危険なのは、主に下表の4つの理由によります。それに対し、X線は正しく扱えば安全を確保することが可能で、だからこそ、医療の現場で広く活用されています。こうしたことを、患者さまにできるだけやさしく伝えられるとよいですね。

原発の放射能X線
放射性物質の核分裂が連鎖的に起こり、
放射線が出つづける。人為的な抑制・停止はできない。
人工の力で瞬間的に発生させる。
人為的にコントロールできる。
大量の放射線が放出されるうえ、
エネルギー量は大きい。
たとえば、1回の胸部X線撮影で浴びる
放射線量は約0.06mSvとごくわずか。
物理的半減期が長く、放射線の放出量が減るにはかなりの年月を要する。 瞬間的に透過・散乱し、すぐに消滅する。
呼吸や食物を通し、放射性物質の塵を体に取り込むと深刻な内部被ばくにつながる。 体を通り抜けるため、体内にとどまることはない。

 

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