ごあいさつ
X線防護の専門企業としての使命をまっとうしています。
いつもHOSHINAブランドのX線防護衣をご利用いただき、誠にありがとうございます。おかげさまで、2013年、保科製作所は創業100年の節目を迎えることができました。
当社が国内初となるX線防護衣を世の中に出してから約60年になります。その開発に費やした数年の年月、また、事業の礎となる縫製技術を培った往診用カバン製造の時代にも思いを馳せれば、なんと長い歳月にわたって一つのことに取り組んできたのだろうと感じ入ります。
製品化に挑みはじめた当初から、X線防護衣の開発の課題は、「安全性」の確保と並び、「軽い」、「やわらかい」、「汗をかきにくい」をいかに実現するかということでした。鉛入りの分厚いゴム板でできたX線防護衣の着心地は、それほど重く、硬く、通気性も劣っていたのです。
その3つの課題が、1995年に導入したNASA発の「無鉛素材」、ここ10年ほどの間に実用化した「空調システム」と「バックフレーム」によって、ようやく実現できました。医療現場のみなさまからも高い評価をいただき、メーカーとして、ほんとうに喜ぶべきことだと感じています。
しかしながら、改良の余地はまだ十分にあります。すでにいくつかのポイントを抽出し、その問題の改善へと取り組み始めています。さらに、これまでとはまったく異なる製法に着目し、現在はその実用化に向けての研究・試作も開始しています。X線防護に関する総合的なソリューションを提供する企業として、その提案力をさらに磨いていくことも課題です。
一方、2011年の福島の原発事故を機に、世界中で放射線防護への関心が高まっています。非常にハードルの高い課題ではありますが、防護衣の専門メーカーとして、開発に積極的に取り組み、社会貢献に結びつけていけたらという思いにも駆られます。
一つのことに長い時間をかけて取り組んでこそ、見えてくるもの、実現できるものがあります。そして、創業から100年の年月を経た現在も、当社が挑戦すべき課題はまだまだ尽きません。これからも、HOSHINAブランドをお使いいただくみなさまの安全と快適、従業員一同の幸せとやりがいを最優先に考えながら、X線防護の専門企業としての使命をまっとうしていく所存です。