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知る・学ぶ

放射線部門の
医療安全のヒント

合言葉は、SAFETY FIRST。
放射線部門で活躍するみなさまを守るための
医療安全について考えていきます。

Vol.1放射線部門における院内感染対策編

感染のリスクから、まず、あなた自身を守るために。

自分が感染しないために、自分が院内感染の媒介とならないために、
医療従事者は十分な知識とノウハウをもって予防策に取り組むことが大切です。

入院患者100人に3〜4人がMRSAに感染。

厚生労働省調査によると、2013年、調査対象の医療機関で発生した院内感染の93.7%がMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)によるものでした。そして、対象医療機関の全入院患者の3.61%、つまり、100人中3〜4人もの人々がこのMRSAに感染したと報告されています。多剤耐性菌の中でもとりわけ多彩な病気を引き起こすのがこのMRSAです。治療しにくく、重症化を招きやすいため、命に関わるようなケースもしばしばあります。

■ 耐性菌・新規感染症患者の内訳 MRSA メチシリン耐性黄色ブドウ球菌93.7%

患者と接する頻度の高い放射線部門。
スタッフも感染のリスクにさらされています。

院内感染を考えるとき、忘れてはならないのが、医療従事者にとっての感染のリスクです。とくに救急医療の現場では、感染症についての精査を行わないまま、検査や治療を行うケースも少なくはありません。他の病院でMRSAなどに感染した患者が搬送されてくることも考えられるため、医師や看護師、放射線技師は、自らがつねに感染のリスクにさらされているという認識をもつことが必要です。また、弱毒性の菌の場合、健常者なら保菌するだけで発症には至らないとしても、その菌を高齢者や抵抗力の低下した人に感染させてしまう‥‥、つまり、自分が院内感染の媒介となる可能性があることも知っておきたい事実です。

Notice 手に触れるあらゆるものが感染の媒介になります。

一人ひとりの取り組みを施設全体の院内感染対策へ。

自分の身を守るために、自分が院内感染の媒介にならないために、医療従事者は感染予防に真剣に向き合うことが必要です。院内感染対策は施設全体で行うのが原則ですが、それも一人ひとりが正しい知識とノウハウのもとに日々の対策に取り組んでこそ十分な効果が得られます。実施にあたっては、各施設の「標準予防策」に「救急・放射線診療部門独自のルール」を加えたものが行動の基本となります。右ページで、その基本をご紹介しましょう。

院内感染対策・3つの基本

 

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